アクティブ運用とパッシブ運用の違いとは?

投資 | | Jan 21, 2026 | 3分読み

アクティブ運用とパッシブ運用について考える際は、それぞれにメリットがあることを理解することが重要です。アクティブ運用は、ファンドや口座を誰かが積極的に管理する必要があります。一方、パッシブ運用はS&P500などの主要な指数や、あらかじめ選ばれた株式のグループに連動する形で運用されます。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて、以下で詳しくご紹介します。

アクティブ運用とパッシブ運用の違いとは?

アクティブ運用とは?

アクティブ運用とは、ポートフォリオ・マネージャーやその他の市場参加者が、ファンド内の資金運用について積極的に意思決定を行う手法です。アクティブ運用は、S&P500指数やファンドが採用しているその他のベンチマークを上回るリターンを目指しています。すべてのファンド・マネージャーは、自身のファンドの投資テーマに合ったベンチマークを選択します。

アクティブ運用には、運用資産が経済状況、金融市場、政治、その他の要因によってどのように動くかについての深い理解が必要です。ポートフォリオ・マネージャーは、自身の経験、知識、分析を活かして、ポートフォリオを構成する資産をいつ売買するかを判断します。

アクティブ運用による投資の例としては、ヘッジファンドや、投資家自身がオンライン証券口座を通じて積極的に運用する株式ポートフォリオなどが挙げられます。

パッシブ運用とは?

パッシブ運用とは、売買の回数を最小限に抑え、長期的な視点で投資を行う方法です。バイ・アンド・ホールド(Buy and Hold)という投資行動、すなわち株式や債券などの金融商品を一度購入した後、短期的な価格変動に惑わされず、中長期的に保有し続ける買い持ち戦略とパッシブ運用は非常に親和性が高いと言えます。もちろん、アクティブ運用においても同様の戦略を取ることは可能です。

パッシブ運用は、S&P500やナスダック100のような指数に連動することが多く、これらの指数に銘柄が追加されたり除外されたりすると、それを基準としたインデックス・ファンドも自動的にその銘柄を売買します。

パッシブ運用では、株式市場全体とほぼ同様のパフォーマンスになりますので、市場を大きく上回る成績を出すことはありません。つまり、ファンドが連動している株価指数の成績が不調な年は、あなたのポートフォリオも同様に不調になります。

パッシブ運用の代表例としては、S&P500やダウ工業株30種平均などの指数に連動するETF(上場投資信託)やミューチュアルファンド(投資信託)などが挙げられます。
投資のヒント:アクティブ運用は、株式やその他の資産を積極的に運用し、投資リターンの最大化を目指す方法です。一方、パッシブ運用は、インデックスやあらかじめ決められた投資対象に限定し、長期的に保有する戦略です。


アクティブ運用とパッシブ運用の手数料

この2つの他の大きな違いは、運用費用(経費率)です。オンライン証券口座を利用して株式売買を自分で行わない限り、アクティブ運用ファンドは、インデックスをただ追跡しているパッシブ・ファンドに比べて、はるかに高額になります。

例えば、アクティブ運用を行うヘッジファンドの従来の手数料体系は以下の通りです。

  • 運用手数料:2%
  • 成功報酬:20%
成功報酬は、ファンド内の顧客資産の純資産価値の増加分、つまりファンドの投資価値の増加分に基づいて計算されます。例えば、投資家がヘッジファンドに1億円分の持分を保有していて、ファンド・マネージャーがその価値を1千万円増やした場合、投資家はその増加分の20%、すなわち200万円を支払うことになります。

ただし、一部のアクティブ運用型の投資信託は運用手数料のみを請求する場合もありますが、それでもその手数料はパッシブ・ファンドより高額となるのが一般的です。多くのアクティブ運用型ファンドでも競争力を維持するために、近年は手数料を引き下げる傾向がありますが、それでもパッシブ・ファンドより高くなっています。トムソン・ロイター・リッパーの調査によると、アクティブ運用株式ファンドの平均信託報酬率は1.4%であるのに対し、パッシブ運用株式ファンドの平均はわずか0.6%でした。

アクティブ運用 vs. パッシブ運用:それぞれのメリットとデメリット

アクティブ運用とパッシブ運用のどちらが優れているかについては多くの議論がありますが、実際には両方の戦略を組み合わせることで、より多角的なポートフォリオを構築できる場合もあります。ただし、どちらの投資戦略にもそれぞれメリットとデメリットがあります。

アクティブ運用のメリット
  • カスタマイズ性が高い:ファンド運用者が選んだ投資商品を組み入れることができます。
  • 株式やセクターの入れ替えが可能:アクティブ運用口座では、投資家やファンド運用者がパフォーマンスの悪い株式やセクターから撤退することができます。
  • 株式市場の平均リターンを上回る可能性が高い:ファンド運用者は選択した銘柄によって、株式市場の平均を上回るリターンを目指します。

アクティブ運用のデメリット
  • パッシブ運用よりもコストが高い

パッシブ運用のメリット
  • 運用費用が安い:アクティブ運用型ファンドよりも運用費用(経費率)が低い。
  • 透明性が高い:基準とするインデックスやあらかじめ選ばれた銘柄グループを追跡しているため、ファンドにどの銘柄が含まれているかが常に明確である。
  • キャピタルゲイン課税が少ない:株式を買って長期保有することで、短期的なキャピタルゲインの発生が少なくなり、リターンに対する税金も少なくて済む。

パッシブ運用のデメリット
  • ファンドや銘柄の選択肢に柔軟性がない:特定のインデックスやあらかじめ決められた銘柄への投資に限定されるため、柔軟性が低い。
  • 市場平均を上回るリターンは期待できない:主要な株価指数を追跡して買い持ちするだけなので、言い換えれば、市場平均を反映しているに過ぎない。

アクティブ運用とパッシブ運用、どちらを選ぶべきか?

一般的な投資家にとっては、手数料が低く、どの株を売買するか自分で判断する必要のないパッシブ運用の方が、より適しているかもしれません。さらに、長期的にはパッシブ運用がアクティブ運用を上回ることが、数十年にわたる複数の研究によって明らかにされています。

しかし、下げ相場(ベア・マーケット)を経験して以来、アクティブ運用を好む投資家もいます。アクティブ運用型のファンド・マネージャーは、特定のインデックスに含まれる銘柄や買い持ち戦略に縛られることなく、市況に応じた投資行動を採用できます。また、経済環境に応じて景気の良いセクターを選択し、その中から特に高いパフォーマンスを発揮する銘柄を見つけて投資することも可能です。一方、インデックス連動型のパッシブ運用ファンドは、セクターを横断して市場全体にわたる幅広い銘柄を保有し続ける必要があります。
投資のヒント:一般的に、上昇相場(ブル・マーケット)ではパッシブ運用の方が良い成績を収める傾向があります。なぜなら、主要な株価指数を上回ることは、経験豊富なプロにとっても容易ではないからです。


純金融資産が1億円以上の富裕層は、経済が低迷している時に資産価値の減少を防ぐため、ファンドマネージャーに資産を預けてアクティブ運用型ファンドへ投資することを好む場合があります。

アクティブ運用とパッシブ運用の組み合わせ

本質は、アクティブ運用かパッシブ運用のどちらかを選ぶことではなく、十分な資産がある場合には両方を組み合わせて活用することにあります。一般的に、パッシブ運用は上昇相場(ブル・マーケット)でより高いパフォーマンスを発揮しやすく、アクティブ運用は下落相場(ベア・マーケット)で市場平均を上回るリターンを得やすいため、両方の戦略を組み合わせることで、それぞれのメリットを享受でき、最善の選択となります。

最後に 

アクティブ運用とパッシブ運用の議論は、長年にわたり活発に行われてきましたが、どちらにも利点と欠点があります。アクティブ運用は、株式やその他の資産を積極的に売買する投資手法であり、パッシブ運用はインデックスやあらかじめ決められたテーマに沿った銘柄に限定して投資する方法です。

アクティブ運用の手数料は、資産運用を頻繁に行うため、パッシブ運用に比べて高くなる傾向があります。アクティブ運用の代表例としてはヘッジファンドが挙げられます。一方、S&P500指数に連動する「SPY」や、ナスダック100指数に連動する「QQQ」は、パッシブ運用型ETF(上場投資信託)の代表例です。

一般的に、上げ相場(ブル・マーケット)ではパッシブ運用の方が良い成績を収める傾向があります。なぜなら、主要な株価指数を上回ることは、経験豊富なプロにとっても容易ではないからです。しかし、市場全体が下落しているときには、アクティブ運用が本領を発揮することが多いです。なぜなら、投資家が市況に合った投資戦略に転換し、景気悪化が予想されるセクターや銘柄を除外できるためです。

よくある質問

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Daiji Nara
Daiji Nara
Founder

メルボルン大学でクリエイティブアーツ(映画)学士号を取得し、金融市場、人材紹介、起業など幅広い分野で15年以上の経験を持つ多才なプロフェッショナルです。キャリアの始めは、インターバンク市場で債券のデフォルトリスクを売買するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の仲介業を行っておりました。その後、人材業界に転身し、グローバル企業のテクノロジー、コンサルティング、金融分野における中堅・上級職の人材紹介を専門としてきました。現在は、GDHプライベート・リミテッドの創業者兼CEOとして複数の主要なデジタル製品を所有し、運営しています。私は、金融工学を用いて「信用リスク」に特化したデリバティブ商品の開発やITサービスの基盤となるアプリケーションの実装を、社員として行ったことは有りません。しかしご覧の通り、私はそれらを動かす技術を日々開発しています。Geek気質な私の趣味が皆様のお役に立てることを、心より願っております。

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