トレーリング株価収益率(実績PER)とフォワード株価収益率(予想PER)を比較する

投資ポートフォリオ管理 | | Jan 05, 2026 | 3分読み

過去12か月間の利益1ドル(つまり実績)に対して、投資家がいくら支払っているかを示す指標が「トレーリング株価収益率(実績PER)」です。これは株価収益率(PER)の標準的な測定方法です。一方、「フォワード株価収益率(予想PER)」は、今後12か月間の予想利益1ドルに対して、投資家がいくら支払っているかを示します。この記事では、これらの定義、具体例、そして実績PERと予想PERの違いについて解説します。

トレーリング株価収益率(実績PER)とフォワード株価収益率(予想PER)を比較する

トレーリング株価収益率(実績PER)とは?

実績PERは、現在の株価を過去12か月間の1株当たり利益(EPS)で割ることで算出されます。例えば、現在の株価が100ドルで、過去12か月間の実績EPSが5ドルの場合、実績PERは20(100÷5)となります。これは、その企業の株式が、過去12か月間の1株当たり利益の20倍の価格、つまりPER20倍(20x)で取引されていることを意味します。


フォワード株価収益率(予想PER)とは?

予想PERは、企業の将来の利益予想(フォワードガイダンス)に基づいて算出されます。この指標は推定株価収益率(推定PER)と呼ばれることもあり、企業の現在の利益と将来の利益を比較するのに役立ちます。

予想PERは、現在の株価を予想1株当たり利益(EPS)で割ることで求められます。例えば、現在の株価が100ドルで、将来の予想EPSが5.55ドルの場合、予想PERは18(100÷5.55)となります。
投資のヒント:企業が「予想を下回る」とは、1株当たり利益(EPS)がアナリストの予想よりも低かったことを意味します。また、利益が予想を下回ると、株価が下落することがよくあります。このため、企業は次の四半期に市場予想を上回る確率を高めるために、将来の利益予想を控えめに見積もりたくなることがあります。しかし、一部の企業は投資家により魅力的に見せるため、利益予想を過大に見積もる場合もあります。

実績PERと予想PERの違い

この2種類のPER(株価収益率)の主な違いは、実績PERが過去の実績としての1株当たり利益(EPS)に基づいているのに対し、予想PERは将来を予測した予想EPSに基づいている点です。これら2つの評価指標のうち、多くの投資家にとっては、実績PERが一般的に「株価収益率(P/E)」と呼ばれています。


実績PERと予想PERの欠点


実績PERの欠点 

  • 過去の利益が将来の成果を保証するものではありません。 
  • たとえEPS(一株当たり利益)の数値が一定でも、株価は日々変動します。

予想PERの欠点

  • 企業は、予想利益を控えめに見積もることで、実際の利益が予想を上回るようにすることがあります。
  •  一方で、企業が予想利益を過大に見積もり、決算発表前に下方修正する場合もあります。
また、外部のアナリストも予想を出しますが、それが企業のガイダンスと一致しないことがあり、その結果、投資家が混乱することがあります。
投資のヒント: 予想PERが実績PERより低い場合、アナリストは今後の利益が増加すると予想しています。逆に、予想PERが実績PERより高い場合、アナリストは今後の利益が減少すると予想しています。


CAPE比率

CAPEは「循環調整後の株価収益率(Cyclically Adjusted Price Earnings)」の略で、インフレ調整後の過去10年間の1株当たり平均利益を用いる指標です。シラーPER(Shiller P/E)とも呼ばれ、CAPE比率はS&P500指数の評価を測る際によく使われます。実績PERや予想PERと同様に、CAPE比率は株式が割安か割高かを判断するための指標です。それぞれのPERは異なる観点から評価を行いますが、これらを組み合わせて利用することもできます。


最後に

実績PERと予想PERはどちらもバリュエーション指標です。実績PERは過去12か月間の実績としての利益を基に算出されるため、より一般的に使用される株価収益率(P/E)です。

よくある質問

アナリストの開示:私は(私たちは)、本文中で言及しているいかなる株式についてもポジションを保有しておらず、今後72時間以内に新たにポジションを保有する予定もありません。本記事は私自身が執筆しており、ここで述べている意見はあくまで私個人のものです。本記事により報酬は受け取っておらず、また、本文中で言及されているいかなる企業とも業務上の関係はありません。

アメカブドットコムの開示事項:過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。いかなる投資が特定の投資家に適しているかについて、推奨や助言を行うものではありません。上記に示された見解や意見は、アメカブドットコム全体の見解を反映していない場合があります。アメカブドットコムは、証券ディーラー、ブローカー、日本および米国の投資アドバイザー、または投資銀行として認可されていません。当社のアナリストは第三者の著者で構成されており、プロの投資家および個人投資家が含まれますが、必ずしもいかなる機関または規制当局によって認可または認定されているわけではありません。

Daiji Nara
Daiji Nara
Founder

メルボルン大学でクリエイティブアーツ(映画)学士号を取得し、金融市場、人材紹介、起業など幅広い分野で15年以上の経験を持つ多才なプロフェッショナルです。キャリアの始めは、インターバンク市場で債券のデフォルトリスクを売買するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の仲介業を行っておりました。その後、人材業界に転身し、グローバル企業のテクノロジー、コンサルティング、金融分野における中堅・上級職の人材紹介を専門としてきました。現在は、GDHプライベート・リミテッドの創業者兼CEOとして複数の主要なデジタル製品を所有し、運営しています。私は、金融工学を用いて「信用リスク」に特化したデリバティブ商品の開発やITサービスの基盤となるアプリケーションの実装を、社員として行ったことは有りません。しかしご覧の通り、私はそれらを動かす技術を日々開発しています。Geek気質な私の趣味が皆様のお役に立てることを、心より願っております。

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