分散投資とは?投資リスクを抑えるための基本戦略について解説

投資ポートフォリオ管理 | | Jan 21, 2026 | 3分読み

投資において、分散投資とは、資金を複数の投資先に分けて投資し、特定の投資先に対するリスクを抑えることを指します。この方法によって、ポートフォリオの変動性を低く抑えることができます。なぜなら、ある資産の価値が下がってしまっても、他の資産の価値が上がっている場合があり、下落した資産の損失を一部相殺できるからです。資産ポートフォリオを分散させることで、投資におけるリスクとリターンのバランスを調整することができます。

分散投資とは?投資リスクを抑えるための基本戦略について解説

4つの分散投資戦略

資産ポートフォリオを分散させる方法はいくつかありますが、本稿では代表的な4つを紹介します。

1. 資産クラスの分散
最初の方法は、複数の資産クラスに分けて投資をすることです。例えば、株式、債券不動産やその他の貴金属、コモディティ(商品)暗号資産(仮想通貨)などを組み合わせて投資します。

2. 保有ポジションの分散
複数の資産クラスに分散投資するだけでなく、それぞれの資産クラス内でも分散することが一般的に推奨されています。例えば、株式ポートフォリオの場合、異なるセクターの銘柄を選ぶことで分散が図れます。株式指数だけを見ると、すべての株が一斉に上昇または下落しているように見えることがあります。しかし、実際には多くの株が同じ日に上昇するものもあれば、下落するものもあります。

また、異なる企業の債券を組み合わせることで、債券ポートフォリオの分散も可能になります。

3. 地理的分散
3つ目の分散方法は、グローバルに異なる地域や国に投資することです。例えば、証券ポートフォリオの一部を先進国市場に、別の一部を新興国市場に配分することもできます。世界中の多くの投資家は、米国、ヨーロッパ、中国、その他の国々への投資を通じて、さまざまな地域や国に分散投資しています。

4. 時価総額帯による分散
大型株中型株・小型株といった時価総額の区分ごとに分散投資を行うことも有効です。市況によっては、小型株や中型株が大型株よりも好調な場合があり、またその逆もあります。
投資のヒント:資産ポートフォリオの分散とは、資金を複数の投資先に分けて投資することです。この分散には、異なる資産クラス、異なるセクターや時価総額帯の銘柄、さらにグローバルに異なる地域や国への投資が含まれます。


分散投資のメリット

資産ポートフォリオにおいて分散投資が重要な理由を4つ挙げます。

1. 損益リスクの最小化
おそらく最も重要なメリットは、分散投資を正しく行えば、期待リターンを減らすことなく損失リスクを最小限に抑えられる点です。たとえば、ある資産クラスや投資ポジションが大きく下落しても、他の投資ポジションが上昇したり、横ばいであったり、下落幅が小さい場合があります。分散投資は純資産価値(Net Asset Value)を守るのに役立ちます。

2. リターンの機会増加
投資資金をさまざまな投資先に分散することで、リターンの機会も増加します。すべての資金を一つの投資先に集中させてしまうと、その投資が利益を生まなかったり、損失を出す可能性が常にあります。投資は確率論であり、たとえ99%の期待リターンが見込めたとしても、1%の確率で期待外れの結果が出る場合もあります。したがって、一点集中の投資を避けることで、損失リスクを抑え、長期的には大きな利益を得られる確率が高まります。実際、あるセクターや銘柄が下落しても、ほかのセクターや銘柄が上昇することで損失を相殺できる場合が多いものです。

3. マーケット変動時のセーフガード
分散投資をすることで、市況が別のサイクルへ移行し変動した際にも、あなたの資産ポートフォリオを守ることができます。例えば、不調なセクターにも投資資金の一部を配分しておくことで、そのセクターが回復したときに恩恵を受けることができます。市況サイクルは予告なく急に変わることがあるため、好調なセクターと不調なセクターの両方を保有しておくことで、市況の変化に対応できます。

4. 資産ポートフォリオの価格変動リスク低減
異なる性質を持った資産を保有してポートフォリオを構築することで、そのポートフォリオ全体のボラティリティ(変動性)を低く抑えることができます。異なる資産クラス(株式や債券など)や異なるセクターを同時に保有することで、ある投資ポジションが下落している一方で、他の投資ポジションが上昇していることがり、ポートフォリオ全体としての変動性が小さくなります。

分散投資のデメリット

分散投資は一般的に推奨されますが、いくつかのデメリットも存在します。

1. 資産運用の複雑化
どの資産にどれだけ配分するかを決めるには、調査や管理に手間がかかります。投資経験が少ない人にとっては、分散された資産ポートフォリオを管理するのに時間がかかる場合があります。

2. 上昇幅が制限される
分散投資は下落リスクを抑える一方で、上昇幅も制限されます。例えば、1つの銘柄だけに投資していれば、その銘柄が大きく上昇した場合に大きな利益を得られます。しかし、他の銘柄にも分散投資したことによって、パフォーマンスが低い銘柄がポートフォリオ全体のリターンを抑えてしまうことがあります。

3. 損失リスクが高い投資ポジションを含んでしまう場合がある
分散投資は、損失リスクを減らすための戦略です。しかし、投資家の中には投資対象への理解が不十分なため、損失リスクの非常に高い投資ポジションを資産ポートフォリオに組み入れてしまうことがあります。

4. 取引コストが高くなる
広範囲に細かく分散された資産ポートフォリオを運用すると、頻繁に売買が発生し、その結果、取引コストが高くなります。

5. 市場の変動リスクを完全に回避することはできません
分散投資を行ったとしても、市場全体の大きな変動リスク(システマティック・リスク)を完全に排除したり、十分に軽減したりできるわけではありません。たとえば、2008年から2009年の世界金融危機(リーマンショック)の際には、ほぼすべての銘柄が大きく下落したため、株式だけでの分散投資ではあまり効果がありませんでした。
投資のヒント:分散投資の最大のメリットは、資産ポートフォリオのボラティリティ(変動性)を下げることですが、その一方でリターンも抑えられる場合があります。


分散投資の例

分散投資戦略の例を挙げます。ある投資家が、運用資金の60%を株式に、40%を債券に配分したいと考えたとします。株式の分散のために、複数のセクターにまたがって合計20銘柄の株式を保有することが考えられます。

別の例としては、運用資金の40%を株式、20%を債券、20%を不動産、10%をコモディティ(商品)、5%を暗号資産(仮想通貨)、5%を現金や外貨に投資する方法もあります。また、日本株に50%、米国株に25%、新興国株に25%を配分することも考えられます。

どのように資産ポートフォリオを分散すべきか?

分散投資はほとんどの投資家にとって普遍的なアドバイスですが、必ずしも分散を増やせば良いというわけではありません。研究によると、分散の度合いが高まるにつれて、その追加的な分散効果は小さくなります。たとえば、株式ポートフォリオを1銘柄から21銘柄に増やすと大きな分散効果が得られますが、101銘柄から121銘柄に増やしても追加の効果はほとんどありません。また、過度な分散による資産運用は、運用の複雑さも比例して増してしまいます。

市況サイクルの変化による損失リスクが心配な場合は、運用資金をある程度分散させることが最善です。分散投資は資産ポートフォリオのボラティリティ(変動性)を下げ、それによる投資家のストレスも軽減させます。ただし、投資先の選択を誤まると、ポートフォリオ全体リターンが下がります。例えば、もし投資家が特定の5つの銘柄に強い自信を持ち、それ以外の銘柄については自信が低い場合、これら5つの銘柄以外に分散投資を行うことは、利益を得るどころか、かえって不利益をもたらす可能性があります。

よくある質問

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Daiji Nara
Daiji Nara
Founder

メルボルン大学でクリエイティブアーツ(映画)学士号を取得し、金融市場、人材紹介、起業など幅広い分野で15年以上の経験を持つ多才なプロフェッショナルです。キャリアの始めは、インターバンク市場で債券のデフォルトリスクを売買するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の仲介業を行っておりました。その後、人材業界に転身し、グローバル企業のテクノロジー、コンサルティング、金融分野における中堅・上級職の人材紹介を専門としてきました。現在は、GDHプライベート・リミテッドの創業者兼CEOとして複数の主要なデジタル製品を所有し、運営しています。私は、金融工学を用いて「信用リスク」に特化したデリバティブ商品の開発やITサービスの基盤となるアプリケーションの実装を、社員として行ったことは有りません。しかしご覧の通り、私はそれらを動かす技術を日々開発しています。Geek気質な私の趣味が皆様のお役に立てることを、心より願っております。

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