レバレッジ型ETFとは?

上場投資信託(ETF) | | Jan 05, 2026 | 3分読み

レバレッジ型ETFは、借入金を利用して株式などのポジションを拡大するユニークな上場投資信託です。他の種類のETFと比べて、リスクとリターンの変動幅がより大きいのが特徴です。

レバレッジ型ETFとは?

レバレッジ型ETFとは?

レバレッジ型ETF(上場投資信託)とは、デリバティブ(金融派生商品)や借入金(レバレッジ)を活用して、S&P500などの基準となる指数のリターンを増幅させることを目的としたETFです。通常のETFは、時間の経過とともに指数のリターンに連動することを目指しますが、レバレッジ型ETFは、指数の日々のリターンを2倍や3倍にすることを目的としています。
注意:ここで「日次」のリターンを強調しているのは、これらのETFでレバレッジを実現するために使われているデリバティブが非常に短期的なものであり、長期的な運用を目的とした場合には、同じレバレッジ効果を提供することを意図していないためです。その結果、レバレッジ型ETFでは、2倍や3倍といったレバレッジ効果がベンチマークの日次リターンには非常に近く連動します。しかし、数週間、数か月、あるいは数年といった長期的な期間では、日次と同様に密接に連動するとは限りません。



レバレッジ型ETFはどんな仕組みなのか?

レバレッジ型ETFは、従来型ETFとは異なり、ベンチマークとなる指数の日次リターンを2倍や3倍に増幅させることを目的として運用されます。そのため、レバレッジ型ETFはリターンを増幅させるために、借入金を活用して先物取引やオプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)を購入しています。

例えば、S&P500指数に連動する従来型のETFは、指数を構成する株式を購入・保有することで、指数のリターンと1:1の比率で同じような動きになるよう運用されています。一方、レバレッジ型ETFは2:1や3:1、つまり2倍(2x)や3倍(3x)のリターンを目指して運用されます。

したがって、レバレッジ型ETFの購入を検討している投資家は、これらの金融商品がベンチマーク指数の長期的なリターンを増幅させるものではなく、日次リターンのみを増幅させるものであることを十分に理解する必要があります。例えば、2018年には、従来型のETFであるSPDR S&P 500 ETF(SPY)が年間で-4.56%の下落となりました。しかし、3倍レバレッジ型ETFであるDirexion Daily S&P 500 Bull 3x ETF(SPXL)は-25.13%の下落となり、SPYの下落率の5倍以上となりました。なお、SPYはS&P500指数に厳密に連動するよう運用されています。
重要なポイント:レバレッジ型ETFは、特定の指数の日次リターンのみを増幅させるものです。尚、レバレッジ型ETFにはインバース型もあり、これは指数が下落した場合にそのETFの価格が上昇する金融商品です。



レバレッジ型ETFの高い運用コスト(経費率)について

従来型ETFと比較すると、レバレッジ型ETFは一般的に運用コスト(経費率)が高くなります。例えば、従来型ETFの平均経費率が0.45%であるのに対し、レバレッジ型ETFの平均経費率は0.95%です。これらの経費はファンドから差し引かれるため、投資家の純リターンが減少します。


レバレッジ型ETFのメリットとデメリット

レバレッジ型ETFへの投資には潜在的なメリットがある一方で、投資する前に知っておくべき明確なデメリットもあります。


レバレッジ型ETFのメリット

  • デリバティブへのアクセス:レバレッジ型ETFは、オプションや先物契約などのデリバティブに間接的にアクセスすることが可能です。これらは一般の投資家にとってはアクセスが難しかったり、取引コストが高くなったりする場合があります。
  • 簡単に取引できる:レバレッジ型ETFは、従来型ETFと同様に、通常の株式と同じように公開市場で取引できます。
  • 大きなリターンを得る可能性:レバレッジ型ETFは、基準となるベンチマーク指数の日次リターンを増幅させるため、従来型ETFよりも大きな利益を得られる可能性があります。

レバレッジ型ETFのデメリット

  • 過度な変動リスク:大きな利益の可能性がある一方で、大きな損失のリスクも伴います。通常、市場が常に同じ方向に動き続けることはなく、さらにレバレッジ型ETFは時間の経過とともにその価値が減少する傾向があります。
  • 高い手数料:レバレッジ型ETFは、デリバティブ取引による追加費用が発生するため、従来型ETFよりも運用コスト(経費率)が高くなります。
  • 長期保有に不向き:レバレッジ型ETFは、ベンチマーク指数の日次リターンを増幅することを目的としているため、短期的な投機用途にのみ適しています。長期的には、レバレッジ型ETFのリターンは基準となる指数と必ずしも連動せず、その価値が減少する場合があります。また、利益が出た場合でも、そのリターンが常に同じ割合で増幅されるわけではありません。
警告:レバレッジ型ETFは、従来型ETFよりも本質的にリスクが高い金融商品です。レバレッジ型ETFへの投資では、リターン(利益)が増幅される一方で、損失も同様に増幅します。さらに、これらの金融商品はその構造上、時間の経過とともに価値が減少する傾向がありますので損失も拡大します。以上の特性から、レバレッジ型ETFは短期的な投機目的の投資家に適しており、長期的な投資資産としては不向きです。



ダブル(2x)およびトリプル(3x)レバレッジ型ETFとは?

多くのレバレッジ型ETFは、ダブル(2x)またはトリプル(3x)レバレッジ型であり、それぞれ基準となるベンチマーク指数のリターンを2倍または3倍に増幅します。


  • ダブルレバレッジ型ETF(2xレバレッジ型ETF)は、指数の日次リターンが2倍になるように運用されています。 
  • トリプルレバレッジ型ETF(3xレバレッジ型ETF)は、指数の日次リターンが3倍になるように運用されています。

レバレッジ型ETFのパフォーマンス例

例えば、3倍レバレッジ型ETFの場合を考えてみましょう。ベンチマークが1日目に100から102へ上昇(+2%)、2日目に102から100へ下落(-1.96%)したとします。ベンチマーク指数は元の水準である100に戻っており、パフォーマンスは横ばい(変化なし)です。

レバレッジ型ETFの場合、このリターンはマイナスになります。具体的に計算すると、取引初日に3倍レバレッジ型ETFに$100を投資した場合、$106に増加します。

$100(初期投資額)+($100 × 2%(指数リターン)× 3)= $106

翌日、3倍レバレッジ型ETFは5.88%(3 × -1.96%)下落し、価値は$99.77になります。

$106 - 5.88% = $99.77

ベンチマーク指数が横ばいであったにもかかわらず、レバレッジ型ETFは2日間で-0.23%の損失となります。

$99.77 - $100(初期投資額)= $-0.23


インバース・レバレッジ型ETFとは?

インバース型ETFは、ベンチマーク指数が下落した際にプラスのリターンを生み出す金融商品です。インバース・レバレッジ型ETFは、ベンチマーク指数と逆方向、つまり「インバース」の方向に2倍または3倍の値動きをするように設計されています。例えば、ベンチマーク指数が1日で1%下落した場合、2倍インバース・レバレッジ型ETFは、理論的には2%の価格上昇となります。

インバース・レバレッジ型ETFは空売り(ショートセリング)と似た効果がありますが、レバレッジ型の特性上、時間の経過とともに価値が減少し、徐々に価値が失われていくことがある点に注意が必要です。

よくある質問

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Daiji Nara
Daiji Nara
Founder

メルボルン大学でクリエイティブアーツ(映画)学士号を取得し、金融市場、人材紹介、起業など幅広い分野で15年以上の経験を持つ多才なプロフェッショナルです。キャリアの始めは、インターバンク市場で債券のデフォルトリスクを売買するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の仲介業を行っておりました。その後、人材業界に転身し、グローバル企業のテクノロジー、コンサルティング、金融分野における中堅・上級職の人材紹介を専門としてきました。現在は、GDHプライベート・リミテッドの創業者兼CEOとして複数の主要なデジタル製品を所有し、運営しています。私は、金融工学を用いて「信用リスク」に特化したデリバティブ商品の開発やITサービスの基盤となるアプリケーションの実装を、社員として行ったことは有りません。しかしご覧の通り、私はそれらを動かす技術を日々開発しています。Geek気質な私の趣味が皆様のお役に立てることを、心より願っております。

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